おつかい
先日、急にアイスクリームが食べたくなり、近くのコンビニに買いに行くと言うと
夫が、「ついでに煙草を買って来てくれ」と言った。
そういえば、ここ何年も夫の煙草を買いに行ったことがない。
それゆえ、夫が何を吸っているのかさっぱりわからない。
出来ればやめてほしいという気持ちもあり、テーブルの上に置いてある煙草を
何度となく目にしているはずなのに、夫がお気に入りの煙草の銘柄を知らない。
私自身が煙草に全く興味がないから無関心なのであって、決して夫に対して
無関心なのではないと、言っておこう。
昔は煙草の種類が少なくて覚えやすかったなぁ。
確か、大学に入って間もない頃、「煙草みたいな身体に悪いものを吸う人の
気持ちがわからない。自分は絶対吸わない。」と力強く言っていた若者が、
ほんの一月もたたないうちに、友達の影響か煙草を吸っているのを見て、
なんて口ほどにもない男だと呆れたことがある。
ほかでもない。今、私の横で鼾をかいている人ですがね。
口ほどにもない奴やと思った相手と結婚した私も、相当口ほどにもないんやろね![]()
その頃夫が吸っていたのはショートホープだった。胸ポケットに入れた時
ポケットの形が崩れないからという理由を聞いて、かっこつけやなぁと思った。
良い印象がないのかと突っ込まれそうだが、こと煙草に関しては身体に悪いという
気持ちがあるので、ついつい手厳しいことを言ってしまう。
その後、セブンスターになり、マイルドセブンになり、マイルドセブンのまだ軽いのが
あったと記憶しているけど、それになり…。ちょっとは体のことを気にして軽いのに
していってる様子だったが、それならあっさりやめればいいのにと思う。
その辺りが吸わない人と吸う人がわかりあえないところなのだろうけど。
そして、その頃から子育てが忙しくなったこともあり、夫が何を吸っているか
わからなくなった。やっぱり関心がなくなったということか?
それはさておき、アイスのついでに買うことになった煙草の銘柄を訊くと
「ケントの1ミリ」と言う。「そう言えばわかるの?」と確認すると
「ケントの1ミリの普通の小さいほう」と言う。「何?その普通って」
どうやらケントにはメンソールとそうでないのがあるらしい。
長さも長いのと短いのがあるとか。一つの銘柄にそんなに種類があるなんて![]()
「ケントの1ミリの普通の小さいほう」と呪文のように頭の中で繰り返し、
「初めてのおつかい」よろしく少し緊張しながら、コンビニに向かった。
あれこれアイスやデザートを選んで、レジに行く。店員がピッピッとバーコードを
よんでいるとき、「今かな?」とタイミングをはかり、思い切って言った。
「ケントの1ミリの普通のち、ちいさいほう」 どもりましたがな![]()
五十も半ばになったおばちゃんが、煙草一つ買うのにどんだけ緊張してるねん。
つくづく自分が小心者だと思い知った瞬間であった。


私もさほど驚きもしません。

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